アラブ・エクスプレス展

2012/08/17

アラブ・エクスプレス展
「アラブ・エクスプレス展 アラブ美術の今を知る」 at 森美術館

アラブ出身のアーティストたちによる現代アート展。
公式HPで池上彰さんが「アラブというと紛争・戦争をイメージする人が多いが、本展は『こんなポップで現代的なアラブがあるのか』と驚きます」「今のアラブと過去のアラブが見えてくる」とにこやかに話されていましたが…。

確かにアプローチはポップで現代的だけどほとんどの作品のテーマは紛争・戦争によってもたらされた悲しみや苦しみで、過去は全然過去になってないのが感じられてなんだか息苦しい展覧会でした。

その中でもひとつ実験的でユーモラスな作品が。
最後の方に展示されていたアハマド・バシオーニの《30日間、同じ場所で走り続けて》という映像。
自身の体にセンサーを取り付けて走り、発汗量や歩数がリアルタイムに映像化されていくという公開パフォーマンスの記録です。
こういうテーマにほっとしたのも束の間、解説を読み進めたら彼は去年のエジプト革命のデモで凶弾に倒れ帰らぬ人になっていました…。



マハ・ムスタファ《ブラック・ファウンテン》
一番印象に残ったのがマハ・ムスタファ 《ブラック・ファウンテン》。
この展示方法が突き刺さる!
黒い噴水(=石油)の向こうに見える大都市。


オライブ・トゥーカーン《より新しい中東》
オライブ・トゥーカーン 《(より)新しい中東》
中東地域の国々がパズルのピースになっていて、実際に動かして新しい地図を作ることができます。
ただしパレスチナは固定されていて動きません。


アーデル・アービディーン「アイム・ソーリー」
アーデル・アービディーン 《アイム・ソーリー》
イラク出身の作者がイラク戦争中にアメリカに行ったときのこと。
アメリカ人たちは彼がイラク人と知ると口を揃えて「I’m sorry」と言ったそうです。


ハリーム・アル・カリーム 《無題1 「都会の目撃者」シリーズより》
ハリーム・アル・カリーム 《無題1「都会の目撃者」シリーズより》
口を塞がれ、顔の輪郭もぼやけた女性。眼だけはくっきりとしてじっとこちらを見つめています。



こんな感じで、どの作品にも悲しみや怒りが滲んでいて中東和平を願わずにはいられませんでした。

池上さんのせいで軽い気持ちで見に行っちゃったじゃないか…
(いや池上さんは悪くないけど)


I'm sorry

「アイムソーリー」の作品でもらったアイムソーリー飴。
さて甘いか苦いか?

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